国道363号線を走ると「飯高観音」の看板があらわれます。
いつもは素通りするのに何回も何回も看板が出てくるせいか「飯高観音」に呼ばれてる気がしました。元の道を引き返し飯高観音を目指すと里山風景が広がる山岡にこんな大きな霊場があることに驚かされます。
大きな駐車場に美しい庭園そして立派な寺院は、臨済宗妙心寺派のお寺で地元では「飯高観音」と呼ばれています。
目次
山間の観音霊場、飯高観音(飯高山萬勝寺)
静寂に包まれる山間の霊場で雰囲気の良いお寺でした。
日本三大観音といえば浅草観音(東京都台東区 金龍山浅草寺)、大須観音(愛知県名古屋市中 北野山真福寺宝生院)、津観音(三重県津市 恵日山観音寺大宝院)が有名でwikiにも三大観音と記されています。そこに名乗りを上げているのが飯高観音です。
日本三大観音!?三大○○に名乗りを上げる飯高観音
ローカルルールによって3大○○は、地域ごとに変化します。飯高観音は三大観音の1つだそうです。しかし浅草寺や大須観音ほど知られていないし津観音にもギリ負けています。(勝ち負けの問題じゃないですがw)
しかし静寂に包まれる山間の観音霊場に足を踏み入れると、檀信徒さんに愛され守られてきたことがひしひしと伝わってきます。
初めて訪れたとき、山のなかに立派な寺院があったことは衝撃的でした。道路の看板に従い飯高観音を訪れた人は同じように驚嘆します。日本三大観音に名乗りを上げるのも納得のお寺です。
不動明王が出迎える立派な山門
駐車場から寺院に向かって歩いていくと石彫の不動明王立像が出迎える立派な山門があります。左側には、鐘楼があります。
山門は、平成元年に建てられたもので重厚な雰囲気が漂います。
山号は妙法山から平成4年に飯高山に改名したそうです。
飯高観音の年間行事
檀信徒さんから「飯高さん」と親しまれ厄除け観音の霊場と知られており毎月17日が縁日で年間行事は以下の通りです。
1月・・初観音特別祈祷
2月・・節分会(家内安全、合格祈願、厄除けの特別祈祷があります)節分会は甘酒接待、豆まき、餅投げなどは無し)
8月・・施餓鬼会、九万九千日大祭(=くまんせんにちは鎌倉や関東では四万六千日=しまんろくせんにち、名古屋や東海は九万九千日の日にお参りすると九万九千日分のご利益があり無病息災、家内安全、厄除開運・ 商売繁盛・心願成就などお願いごとをすると良いとされる)
縁日(毎月17日)
お正月も縁日も節分会も行ったこと無いけど九万九千日大祭が気になります。
平成元年に建てられた立派な鐘楼
山門の左側、不動明王立像の横には鐘楼があります。鐘楼も平成元年に建設されたものです。
山間に東濃屈指の霊場があることには驚かれますが年間行事などが無い時に訪れると本当に静かな場所で心が清められるような気持ちになります。
善導寺灯籠と十三仏塔
階段をあがり境内へと向かうと立派な石塔があります。奥には十三仏塔があり十三仏塔の後ろに隠れているのが善導寺灯籠。
回り込みます。写真左側のどっしりしているのが善導寺灯籠。
右側の背が高いのが十三仏塔です。セルフモードで撮影した謎ポーズ。身長150センチの私と深くしても大きいことがお分かりいただけると思います。
十三仏(じゅうさんぶつ)とは、不動明王、釈迦如来、文殊菩薩、普賢菩薩、地蔵菩薩、弥勒菩薩、薬師如来、観音菩薩、勢至菩薩、阿弥陀如来、阿閦如来、大日如来、虚空蔵菩薩のこと。
昔は、1枚の石碑に十三の仏さまを彫っていたのを石碑が風化欠損するため最近の十三仏塔は、高く積んだ状態の石塔が主流みたいです。
写真だけ撮って素通りしたけど、十三仏塔にもおまいりしておけば良かった~~
旧観音堂(弘法堂)
飯高観音には旧観音堂があります。もともとコチラの建物に千手観音菩薩が祀られていました。現在は弘法堂と呼ばれています。
普賢菩薩、釈迦如来、文殊菩薩(釈迦三尊像)
左から普賢菩薩、釈迦如来、文殊菩薩(釈迦三尊像)
普賢菩薩は、中央にいる釈迦如来の脇侍としてまつられています。それぞれ名前の札が掛けられいるから分かりやすいですよね。石に彫られた名札も立派。
普賢菩薩は、合掌している姿が一般的。萬勝寺の普賢菩薩も合掌スタイルでした。
釈迦如来は、歴史的に実在した仏陀といわれています。
釈迦如来の特徴は、頭は螺髪といわれるパンチパーマ風。装飾品は身につけず説法を説いている姿が一般的です。釈迦如来の印相は、施無畏(せむい)といって人々の恐怖を取り除き救済するという意味があります。もう一方の指先が垂れているのは人々の願いを叶える(成就させる)与願印とよばれるものです。
文殊菩薩は智慧を司る仏さまで右手に持っているのは智慧を象徴する利剣を持ち左手には経典です。
如来、菩薩、明王、天部を階層で説明すると、こんなかんじになります。
如来は、悟りを開いているので仏様のなかでは最高ランクです。
仏様の階層なんて、初めて知った!
だから文殊菩薩、普賢菩薩、釈迦如来の中でセンターを飾るのが釈迦如来になるんですね。
龍の彫り物も立体的で迫力があります。表側から見ても迫力がありますが・・
裏側(後ろ側)から眺めると圧巻です。飯高観音は平成になり建て替えられたものですが彫刻にも息をのみます。
天然記念物のさざれ石
日本国歌に歌われるさざれ石は、天然記念物に指定されています。初詣で賑わう飯高観音ですが・・さざれ石は、付近の樹木や植物に隠れひっそり目立たない場所にあります。
君が代は千代に八千代に細石の巌となりて苔の生すまで
元々小さい石が長い年月をかけて岩の塊になるという意味です。
さざれ石は、日本国内でみられます。
岐阜県揖斐川のさざれ石公園、文科省敷地内になるさざれ石、京都府宮津市籠神社、千鳥ヶ淵戦没者墓苑、和気神社(岡山)埼玉県飯能市の観音寺、長野県下諏訪町の諏訪大社、山梨県甲府の武田神社、神奈川県鶴岡八幡宮、京都北野天満宮、京都左京区賀茂御祖神社、京都山科勧修寺、奈良県橿原神宮、茨城県筑波山神社、宮崎県日向市の大御神社、千葉県の中山競技場、三重県伊勢市の二見浦
刈り込んだ鶴と石の亀の庭園
刈り込まれた鶴と石の亀からなる庭園。
厄除け厄払いの寺、飯高観音
飯高観音は、厄除けの寺として知られています。
おまいりすると心が洗われます。
数え年で男性は25歳、42歳、61歳、女性は19歳、33歳、37歳、61歳が厄年。なかでも男の42歳は大厄。女性の33歳は大厄です。その年齢の前の年を前厄、あとの年を後厄と呼び三年間は災難や苦労の多い年まわりとされています。
精神肉体の変化しやすい節目が厄年なので厄除け祈願をしたうえで健康と幸せな1年になるように祈ります。
厄は、本人だけではありません。本人が病気や怪我にならなくて安堵する人がいますが周りに影響するのです。
俺は何も無いぞ~
本人は何も無いからケロっとしていますが厄の家族がいたら家族全員でお祓いしたほうが良いです。
私とお義母さんに厄がふりかかった~~
厄年の真偽は分かりません。思い込みかもしれないですし。
邪気を祓う意味でも手をあわせて心を整えるのは大事なことです。
千手観音菩薩は17年に1度、御開帳
飯高観音の本尊である千手観音菩薩は17年に1度、御開帳があります。前回は平成22年(2010年)なので次は、2027年(令和9年)です。
千手観音菩薩は、千の手で人々を救うといわれています。
2027年になったら御開帳された千手観音菩薩を拝みたいものです。
飯高観音(飯高山萬勝寺)詳細
寺院名 | 飯高観音(飯高山萬勝寺) |
所在地 | 〒509-7604 岐阜県恵那市山岡町馬場山田175 |
電話番号 | 0573-56-2810 |
アクセス | 瑞浪ICから30分。恵那ICから20分 |
駐車場 | あり(無料) |
飯高観音の駐車場
お寺の下にとても広い駐車場があります。普段は交通量も少なく初詣や土日祝日でなければ参拝者も多くはありません。駐車場があまりにも広くて、どこに停めるか悩みました。笑。
駐車場から最短ルートと思われる狭い道を抜けていきました。
懐かしい雰囲気の遊具があります。
千手観世音菩薩の旗を横に見ながら山門へと向かう小道。
飯高観音の五平餅のお店は、機械を使わず手作りで丸めてタレが絶品で「伝説の五平餅」として知る人ぞ知る名店。お蕎麦も美味しく飯高観音の帰りに立ち寄るのを定番コースにしている人もいるほど。(お寺に行く前に予約票で予約しておくと受け取りがスムーズ)
飯高観音の看板に誘われてフラリと立ち寄りましたが、想像以上に立派で驚きました。とても静かな場所にあるので心が鎮まり整う気がします。お正月三が日は、混雑するようですが平日は、ほんとうに静か!
恵那山岡の飯高観音をご紹介します。